(ブルームバーグ):格付けが投資適格級の企業の間で社債発行を控える動きがある。ここ1週間に米社債利回りが昨年7月以来の高水準付近に上昇し、予想される借り入れコストが上昇したためだ。
ブルームバーグ・ニュースのストラテジスト、ブライアン・スミス氏によると、1月の最初の数営業日は起債の動きが比較的活発だったが、8日には少なくとも1社が見送りを選んだ。他にも、来週まで延期した企業が複数あるという。
企業が社債発行を先送りする背景には、最近の借り入れコスト上昇がある。米高格付け社債の利回り平均は昨年末に5.33%だったが、今月8日終値は5.41%。
「利回りは1カ月前の水準を大きく上回っており、企業はより有利なエントリーポイント待ちだ」と、ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ノエル・ヘバート氏は語る。「現在の金利水準や、雇用統計や消費者物価指数(CPI)など今後発表される経済データを考えると、利回りは上振れより下振れする可能性の方が高い。追加利下げが引き続き米当局の既定路線であることを踏まえればなおさらだ」とみる。
もっとも、多くの高格付け企業は借り入れを断念していない。今週最初の3日間で、公益事業体や銀行など金融会社を中心に約600億ドル(約9兆5000億円)相当の起債があった。年明けから8日までの期間は約760億ドルで、前年同期を若干上回った。
引き受け幹事を対象とした先月の非公式調査によれば、1月の起債額は1750億-2000億ドルが予測されていた。これは過去最高を記録した前年同月(1900億ドル)より多い。現代キャピタル・サービシズなど、少なくとも4件の起債が数日中に実施される方向だ。
原題:US Bond Yield Surge Prompts Some Companies to Delay Debt Sales(抜粋)
--取材協力:Michael Gambale.
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