(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事は9日、インフレリスクは根強く、追加利下げには慎重を期すべきだとの考えを示した。
「インフレ率は2023年に大幅に鈍化したが、24年は進展が停滞したようだ。コアインフレ率は目標である2%の水準をなお不快なほど上回っている」と指摘。「政策調整については慎重かつ緩やかなアプローチが望ましい」と述べた。発言はカリフォルニア州銀行協会のイベント向け原稿に基づく。
さらに「現行の政策スタンスが考えられているほど景気抑制的ではない可能性を依然として懸念している」とも指摘。「経済が引き続き力強いことを踏まえると、全体的な金利と借り入れコストの水準が有意な景気抑制効果をもたらしている公算は小さいようだ」と続けた。
ボウマン理事は昨年9月の金融政策決定会合で50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げに反対した。一方で、昨年12月の25bp利下げ決定については支持。その理由については、インフレ鈍化と労働市場の冷え込みを反映した「政策の調整局面における最後のステップ」と考えたためだと説明した。
しかし「インフレ抑制の進展停滞に加え、経済活動および労働市場の継続的な好調さを考慮すると、12月会合では据え置きを支持することもできた」と続けた。
トランプ次期米大統領が掲げる関税や減税、移民政策が与える経済やインフレへの影響を巡っては、予断を持つべきではないとし、一段と明確になるのを待って見極めるべきだと述べた。
原題:Fed’s Bowman Flags Inflation Risks, Encourages Cautious Approach(抜粋)
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