ドル円は2025年末に153円で着地を予想するが、トランプ政策次第で変動幅は拡大の見込み
日米長期金利差が縮小していく過程では、一般にドル安・円高が進みやすいとされます。本レポートは2025年12月末のドル円の着地水準について、1ドル=153円と予想していますが、2025年は次期トランプ政権がどのような政策を前面に打ち出してくるかによって、また、ここに投機的な動きも加わることで、ドル円相場の変動がかなり大きくなることも想定されます。
トランプ氏の景気刺激的な政策はドル高要因と考えられますが、過度にドル高・円安が進めば、本邦当局による為替介入の可能性が高まるため、160円を超えるドル高・円安の進行は見込み難いように思われます。なお、前回のトランプ政権ではドル安・円高が進み、特に米中の関税引き上げ合戦は、FRBの利下げ(不確実性の高まりによる景気への配慮)と一段のドル安・円高進行の要因になったため、これらは留意すべき点です。

(※情報提供、記事執筆:三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト 市川雅浩)