(ブルームバーグ):タイ内閣は、インフレ率の2025年の目標レンジを1-3%で維持するというタイ銀行(中央銀行)と財務省との合意を正式に承認した。24日にバンコクで行われた閣議後にジュラプン財務副大臣が述べた。
タイでは多額の家計債務が消費と物価の重しとなり、実際のインフレ率がしばしば目標を下回っているものの、タイ当局は5年連続で目標レンジを維持することで合意。中銀と政府は金利や経済回復の最善策を巡り衝突してきたが、今回の合意は両者間の緊張が緩和されつつあることを示唆している。

タイ中銀は先週、世界的に不確実性が高まる中、同国経済にとって現在の中立的なスタンスが適切だとして政策金利を2.25%に据え置いた。利下げを求める政府の要求を拒否した形だ。
トランプ次期米大統領が輸入品に大幅な関税を課す恐れがある中、インフレ目標を緩やかな水準に維持することで、タイ中銀は将来的なリスクへの十分な対応力を持つことができるとみられている。
タイの規則では、インフレ目標が正式なターゲットとして採用される前に、財務省と中銀が合意する必要がある。
今年1-11月の同国のインフレ率は平均で0.3%と目標を下回っているが、中銀は今月には目標レンジの下限まで戻ると予想している。11月のインフレ率は0.95%と、6カ月連続で公式目標の下限を下回った。
タイ中銀の金融政策委員会は先週、中期的なインフレ期待が目標内に収まっていることから、来年は平均1.1%になると予想しているとの見方を示した。
原題:Thai Cabinet Endorses Keeping 1%-3% Inflation Target for 2025(抜粋)
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