(ブルームバーグ):かつてはぜいたく品の代表例であったキャビアは、今ではコーヒーカクテル「エスプレッソマティーニ」と同じくらいどこにでもあるものとなっている。キャビアは、フライドチキンの盛り合わせからブランチのスクランブルエッグやトルティーヤチップスの「ドリトス」まで、あらゆる料理の定番の付け合わせとなっている。
レストランやバー、グルメ店ではさらに多くのメニューに登場する見込みだ。調査会社データセンシャルによると、米国のメニューにキャビアが掲載される頻度は2028年までに11%増えると予想されている。食品・飲料・食材全体の上位約27%に入る伸びだとアナリストは見込む。
その背景には、ポテトチップスの「プリングルズ」など、これまで一般的ではなかった商品との組み合わせを紹介する口コミ動画や動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」が少なからず影響している。
データセンシャルのアソシエートディレクター、クレア・コナハン氏は「若い世代の消費者はキャビアをはじめとする魚卵を食べた経験が少ないかもしれないが、試したことがある人は年配の世代よりもそれを好む公算が大きいことが分かった」と述べた。
ナチョス・チーズ・スナックの付け合わせとしてキャビアが使われることはあまり珍しいことではない。世界のキャビア市場は30年までに7億900万ドル(約1116億円)強と、23年の4億1700万ドルから拡大すると予想されている。
キャビアの消費者が増え続ける中、カキや和牛ホットドッグに添えるのに最適なキャビアの種類についてアドバイスすることができる起業家も増えている。シェフ兼ソムリエのケンドラ・アンダーソン氏は、シカゴを拠点とする高級魚卵専門店、キャビア・ドリームの共同創業者。同氏は持続可能な方法で生産されたキャビアを手頃な価格で提供することに重点を置いている。価格は1オンス当たり55ドルから135ドルだ。
アンダーソン氏は「キャビアを楽しむのにはあまりにも多くのハードルがある」とし、価格の問題や紛らわしい専門用語に言及した上で、「誰もが自分のことをキャビアを味わう消費者であると感じてほしい」と語った。
ブームの背景には、養殖チョウザメなどの品質向上もあるとアンダーソン氏は指摘。養殖と品種改良の進歩は魚卵の品質が向上し、より広く入手できるようになったことを意味する。同氏はさらに、付け合わせにする食材についても、「キャビアを飾り付けに使っていけないものはほとんど思い浮かばない」とし、顧客に一段とクリエーティブになるよう促した。
原題:From Blini to Bumps to Doritos: An Ultimate Holiday Caviar Guide(抜粋)
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