2025年の日本経済は成長軌道をたどりコアCPIは前年同月比+2%程度のモメンタムを維持へ

日本経済の先行きについては、賃金の増加、企業の旺盛な設備投資意欲、減税を含む経済対策などにより、成長軌道をたどるとみています。なお、2025年の賃上げ率は平均5.1%程度、年収103万円の壁の引き上げは、時期が2025年、引き上げ度合いは国民民主党の要求(178万円)の半分を想定しています。実質GDP成長率の四半期予想は、2024年度は前年度比+0.5%、2025年度は同+1.2%を見込んでいます。

物価の先行きについては、輸入物価を起点とするコストプッシュ圧力が緩和する一方、賃金増加に伴うサービス価格の上昇が、物価の伸びを下支えすると考えています。コアCPIの四半期予想は、2024年度が前年度比+2.6%、2025年度は同+2.1%を想定しています。コアCPIは2025年度にかけて、振れ幅を伴いながら減速するものの、前年同月比+2%程度のモメンタム(勢い)を維持するとみています。

日銀は2025年1月から2026年1月まで半年毎25bpの利上げへ、米関税引き上げには要注意

金融政策について、日銀は2025年1月の金融政策決定会合で公表する経済・物価情勢の展望(展望レポート)にて、国内の経済および物価、米国を中心とする海外経済を総合的に点検し、無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.25%程度から0.50%程度へ、25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げると予想しており、その後は、半年に1回程度の緩やかな利上げペースを見込んでいます。

つまり、2025年7月と2026年1月に25bpずつ利上げが実施され、無担保コール翌日物金利の誘導目標は、2026年1月に1.00%程度となる見通しです。利上げ時期が後ずれするリスクの1つとしては、第2期トランプ政権による関税引き上げの実施があげられます。これにより、金融市場や経済に大きな混乱が生じれば、日銀は利上げを休止し、様子見姿勢を続ける可能性が高いと思われます。

(※情報提供、記事執筆:三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト 市川雅浩)