記事のポイント
・想定通りの25bp利下げだったが、ドットチャートは25年2回利下げでタカ派的
・トランプ氏の政策を織り込んだ向きは「一部」、議長会見もタカ派的
・「予防的タカ派」の可能性もあり、当面はタカ派化・ハト派化の双方の可能性がある
・FRBのタカ派化のリスクは米経済より世界経済
想定通りの25bp利下げだったが、ドットチャートは25年2回利下げでタカ派的
FRBは12月17-18日のFOMCで、25bpの利下げを決めた(FF金利誘導目標は4.25-4.50%)。決定は市場の想定通りである。なお、翌日物リバースレポ金利は30bp引き下げられ、4.25%となった。これは11月FOMC議事要旨で議論が明らかとなったテクニカルな調整で、FRBのバランスシート縮小が続く中で需給面から短期金利に上昇圧力がかかる影響を緩和することが目的と考えられる。
声明文はほとんど変化なし。利下げの「程度と時期を調整」という表現が追加されたが、これは利下げペース鈍化を意味していると考えられ、ドットチャートの引き上げと整合的である。
経済見通し(SEP、中央値)は総じてタカ派的だった。24年と25年の実質GDP成長率が上方修正された。PCEの見通しも引き上げられた。米経済は堅調で、インフレ圧力が強いという評価になった。その結果、FF金利の見通しも引き上がり、ドットチャートにおける25年の利下げ回数の見通しは2回(前回は4回)、26年の利下げ見通しも2回(前回も2回)となった。Longer runも3.0%(前回は2.875%)に引き上げられた。