円安は「時代」と「局面」をわけるべき
みずほ銀行 唐鎌大輔 チーフマーケット・エコノミスト:
1973年に「変動為替相場」になってから2012年くらいまで日本は「円高」の歴史だったんですよ。
自動車産業を中心に「円高」に悩まされた日本の歴史ですが、円高の「時代」でも、円安の「局面」はあったわけじゃないですか。
例えばシャープの「世界の亀山モデル」といわれた液晶テレビが世界を席巻しましたが、その時は(局面として)「円安」だったわけですよ。
私は2012年を境に「円安の時代」が始まったと思っています。
でも、「円安の時代」でも「円高の局面」はあると。
仮に1ドル=135円になったとして「超円高」と騒いで、株価も下がるでしょう。
でも135円って本当に円高ですか?元々は1ドル=110円くらいから始まっているわけですよ。
なので円安は「時代」と「局面」をわけるべきだと思います。

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<解説>
唐鎌大輔 |みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト
慶大経卒。JETRO、日本経済研究センター、欧州委員会などを経て現職。著書に『弱い円の正体 仮面の黒字国・日本』、『「強い円」はどこへ行ったのか』、『ECB 欧州中央銀行: 組織、戦略から銀行監督まで』。所属学会:日本EU学会
<聞き手>
竹下隆一郎 |TBS CROSS DIG with Bloomberg チーフコンテンツオフィサー
2002 年 4 ⽉ 朝⽇新聞社 ⼊社
宮崎・佐賀⽀局、経済部、メディアラボなどを歴任
2014 年 7 ⽉ ⽶国スタンフォード⼤学客員研究員
2016 年 5 ⽉ ハフィントンポスト(現・ハフポスト)⽇本版編集⻑に就任
2021 年 PIVOT に創業メンバーとして参画
2024 年 11 ⽉ TBS テレビ特任執⾏役員に就任