18日から日銀の金融政策決定会合が開かれているが、市場が注目する「利上げ」の先行きはどうなるのか?“過去最低水準”とも言われる「日本円の実力」とは?そして、円安の底流にある「デジタル赤字」とは?

みずほ銀行チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏に話を聞いた。

日本は円安か金利上昇を選ばないといけない

みずほ銀行 唐鎌大輔 チーフマーケット・エコノミスト:
2024年7月に日銀が利上げを行いましたが、その根拠は「円安」だから。サプライズと言われましたが、ラフに言うと、円安によって輸入物価が上昇し、思ったよりもインフレが上振れするリスクが高まっているからと言われてきた。

だとすると、7月と同じロジックで「インフレ心配だよね」となるはずなので、12月も追加「利上げ」はあってもおかしくないはずです。

結局、もう日本は円安か金利上昇を選ばないといけない状態なので、0.25%ずつくらいの利上げは出来るうちにやっておかないと結構、厳しいことになる。

モタモタしていると日本は両方、引き受けざるを得なくなるということで、私は0.25%の利上げは「必要コスト」としてやらざるを得ない雰囲気があると思います。

日銀の植田総裁は「待つことのコスト」とよく仰いますけど、2025年1月まで待って、そのコストが縮小する保証はないわけですよね。

むしろ第2次トランプ政権の発足に伴って、「待つことのコスト」は増す可能性すらあるわけですから。