日本の輸出は11月に2カ月連続で増加した。中国や台湾などアジア向けを中心に回復基調にある。輸出から輸入を差し引いた貿易収支は5カ月連続の赤字となった。財務省が18日発表した。

<輸出>

  • 輸出額は3.8%増-市場予想2.5%増
    • 数量ベースでは0.1%減-2カ月ぶりマイナス
  • 11月としては過去最高
  • 増加品目:半導体等製造装置(台湾向けIC製造用)、非鉄金属(中国向け精製銅)、食料品
  • 減少品目:自動車、鉄鋼、建設用・鉱山用機械
  • 地域別:アジア(8.9%増、うち中国は4.1%増)、米国(8.0%減)、EU(12.5%減)

<輸入>

  • 輸入額は3.8%減と8カ月ぶりマイナス-市場予想0.8%増
    • 数量ベースでは5.3%減-2カ月ぶりマイナス
  • 増加品目:通信機、電算機類
  • 減少品目:原粗油、半導体等電子部品、石炭

農林中金総合研究所の南武志主席研究員は、「輸出は自動車の減少を要因に伸び悩んでいる」と指摘。世界経済が失速も加速もしていない状況下で、「日本の輸出がどんどん増えるという状況ではない」との見方を示した。一方で、日本経済は輸入に依存する部分が大きくなっており、「これだけの円安でも貿易赤字が続きやすい経済構造になっている」としている。

ドル・円の平均値は1ドル=152.83円と前年比で1.7%の円安だった。

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--取材協力:野原良明.

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