来週の円相場は対ドルで下落しそうだ。18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げが見込まれるものの、今後の利下げペース減速が示唆されればドル買い・円売りが強まりやすい。19日の日本銀行の金融政策決定会合と植田和男総裁の会見に影響を与える可能性があり、会合当日の為替水準によっては波乱含みの展開も予想される。

市場関係者の見方

SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長

  • FOMCの利下げはほぼ確実だが、来年の利下げペース減速が示される可能性があり、その場合は利下げでもドル買いにつながる
  • 日銀が市場の織り込み通り利上げを見送れば、1ドル=155円に向かって円安が進む可能性がある。ファンダメンタルズに沿った動きで介入の思惑も生じづらい
  • 日銀が先行きの不確実性を理由に利上げを見送れば、米トランプ政権がスタートする来年1月はさらに不確実性が高まり、利上げのチャンスを失う可能性がある

大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジスト

  • FOMCが物価見通しを引き上げ、来年の利下げ見通しも2回と市場より若干タカ派的になる可能性はあるが、一段のドル高圧力までには至らないか
  • 152円-153円台で日銀会合を迎えれば利上げ見送りだが、154円-155円まで円安が進んでいた場合は波乱含みの展開になる
  • ただ、日銀は7月の利上げ後の市場混乱が起きないよう細心の注意を払っており、市場の見方から外れるような利上げは見送りか。植田総裁は1月の利上げをにじませるような発言で円安進行を抑えようとするだろ

来週の主な予定

  • 16日:ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が講演、12月のS&Pグローバル米製造業・サービス業・総合PMI
  • 17日:11月の米小売売上高
  • 18日:FOMCが声明と経済予測を公表、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長会見
  • 19日:日銀決定会合の結果公表と植田総裁会見、イングランド銀行(英中銀)が政策金利発表
  • 20日:11月の全国消費者物価指数(CPI)、11月の米個人消費支出(PCE)価格指数、中国人民銀行(中銀)がローンプライムレート(LPR)発表

(ボックス内の数値を更新しました。更新前の記事では市場関係者のコメントを訂正しています)

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