米銀の含み損は今年7-9月(第3四半期)に大幅に減少した。米連邦預金保険公社(FDIC)が12日公表した四半期報告「クオータリー・バンキング・プロフィル」(QBP)で明らかになった。

長期金利低下に伴い、銀行が保有する証券の価値が高まった。金融業界が昨年動揺した際は、含み損が膨らんでいた。

FDICによると、証券の含み損は前期比29%減の3640億ドル(約55兆6700億円)と、約2年ぶり低水準となった。ただ、FDICのグルーエンバーグ総裁は、第3四半期末から長期金利が上昇し、「現時点で評価すれば、含み損改善の大部分が消える可能性が高い」と警告した。

FDICは今回の報告について、全体としてポジティブとしながらも、銀行業界は「インフレや市場金利のボラティリティー、地政学的な不確実性の持続的影響に伴う著しい下向きリスクになお直面している」と指摘した。

米銀の利益は7-9月期に全体的に減少し、いわゆる「問題銀行リスト」に掲載された金融機関の数は66行から68行に増えた。問題行の数は平時としては正常な範囲内にあるという。

預金保険の対象となる 4517行の利益は前期比8.6%減の654億ドル。FDICは減益の主な要因について、前期に株式取引の一時的利益約100億ドルを計上した反動と説明した。

原題:US Banks’ Paper Losses Dip to Lowest Level Since Early 2022 (1)(抜粋)

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