光を使った半導体間のデータ転送技術を専門とするスタートアップのアヤール・ラボは、米大手半導体関連3社から投資を受けた。半導体業界はより効率的な人工知能(AI)処理を目指している。

カリフォルニア州サンノゼに本拠を置く同社は11日、アドベント・グローバル・オポチュニティーズとライト・ストリート・キャピタル主導の資金調達ラウンドで、エヌビディア、AMDベンチャーズ、インテル・キャピタルから計1億5500万ドル(約236億円)を調達したと発表した。

共同創業者で最高経営責任者(CEO)のマーク・ウェイド氏はブルームバーグ・ニュースに対し、これにより自社の評価額は10億ドルを超えたと語った。

多くのタスクを同時に処理するよう設計されたエヌビディアなどのGPU(画像処理半導体)には、サーバーシステムにおける高速かつ安定したデータ伝送が不可欠だが、それはデータのボトルネックや大量の電力使用、作動時の発熱といった問題も伴う。アヤール・ラボは光(フォトン)を用いてデータ伝送を高速化することで、そうした課題に対応する。

「AIの作業負荷により、特に相互接続において既存のハードウエアインフラに大きな負担がかかっている。われわれは電気的な相互接続に代わる方法を見つけた」とウェイド氏は語った。

自社の技術について語るマーク・ウェイド氏

ウェイド氏によると、複数の顧客が既にアヤール・ラボの光チップを試験的に使用しており、同社は2026年半ばまでに大量生産に適した製品化を目指している。今回の資金調達で集めた資金は生産拡大に充てる予定だと同氏は語った。

現在は米グローバルファウンドリーズがアヤール・ラボのチップを生産している。アヤール・ラボはインテルとも提携しており、半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)との協議も進めている。

原題:Nvidia, AMD and Intel Invest in Startup Bringing Light to Chips(抜粋)

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