(ブルームバーグ):29兆ドル(約4420兆円)規模の米国債市場では、新たな米インフレ統計に対する反応が鈍くなる一方、振れが大幅になっている労働市場関連データへの感応度が高まっている。
11月の米消費者物価指数(CPI)がエコノミスト予想に一致したことを受け、米2年債利回りは11日午後の時点で約1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。大きなサプライズのないインフレ統計に対する反応は引き続き鈍かった。

ウィンショア・キャピタル・パートナーズのマネジングパートナー、ガン・フー氏は「インフレ率のボラティリティーが低下している」とし、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)率いる米金融当局の政策動向を予測しやすくなっていると指摘。「米金融当局は依然としてインフレを気に掛けているが、意思決定プロセスでは労働市場の方が重視されている」と述べた。
ブルームバーグがまとめたデータによると、米CPI発表当日の米国債市場の動きは最近落ち着いている一方、米雇用統計の発表日における米国債市場のボラティリティーは急上昇している。
過去5カ月間では、CPI発表日の2年債利回りの変動幅は平均4bpだったのに対し、同期間の雇用統計発表日では平均13bpだった。
フー氏は、トランプ次期大統領が移民の取り締まり強化や貿易相手国への関税導入など包括的な政策課題の実施を確約していることから、インフレ統計は今や「遅行指標」になっていると指摘。「市場はトランプ次期政権で状況が劇的に変わる可能性があると認識しており、投資家はきょうのインフレ統計からあまり先読みすることはできない」と語った。
原題:Jobs Data Takes Inflation’s Place in Stoking Treasury Swings (1)(抜粋)
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