先月の米大統領選以後、ビットコインに直接投資する米国の上場投資信託(ETF)に約100億ドル(約1兆5000億円)が流入した。トランプ次期大統領が暗号資産(仮想通貨)業界を支持し、ビットコイン市場が活況を呈すと期待されている。

ブルームバーグが集計したデータによると、ブラックロックやフィデリティ・インベストメンツなどが投入したビットコインETFは11月5日の大統領選以後、約99億ドルの純流入を記録。総資産は約1130億ドルに膨らんだ。

トランプ氏は先週、米証券取引委員会(SEC)委員長にデジタル資産を擁護しているポール・アトキンス氏を指名したほか、新たなポストとなる人工知能(AI)・暗号資産責任者の人事も発表した。

バイデン政権はデジタル資産に対し慎重な見方をしてきたが、対照的にトランプ氏はこうした資産を支持するルールを設ける考えを示している。ビットコインの国家戦略備蓄構想さえ浮上した。

かつて仮想通貨に懐疑的だったトランプ氏だが、関連業界が同氏の選挙活動に資金を投じたことを受け、方針を転換した。

ビットコインは5日、10万ドルの大台を初めて突破。8日までの1週間は、仮想通貨ブームの2021年以来最長となる6週間連続の上昇を記録した。

10万ドルの大台に乗せた翌日はボラティリティーが高まり、一時9万2000ドル台まで下落。短期見通しを巡り、やや警戒感も広がった。

仮想通貨プライムブローカー、ファルコンXの調査責任者デービッド・ラワント氏は、「持続的かつ明確」に10万ドルを抜けるには、一段とポジティブな材料が必要かもしれないとリポートで指摘した。

原題:US Bitcoin ETF Inflows Near $10 Billion Since Trump Election Win(抜粋)

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