(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事は、基調的なインフレ率は依然として当局目標の2%を「不快なほど」上回っていると指摘。利下げは慎重に進めたいとの考えを改めて示した。
物価上昇に対する上振れリスクは依然として「顕著」だと、ボウマン氏は指摘。インフレ面での進展が停滞しているように見受けられるとし、現時点においては労働市場よりもインフレの方がより大きな懸念だと引き続き見ていると説明した。

ボウマン氏は6日、ミズーリ州銀行協会でのイベントで「インフレは高止まりしており、利下げは慎重かつ漸進的に進めたい」と述べた。
パウエルFRB議長を含め多くの当局者は、利下げに関してより慎重なアプローチを支持している。米連邦公開市場委員会(FOMC)は今月17-18日に会合を開催する。
朝方発表された11月の米雇用統計については、失業率は上昇したものの、歴史的に見れば低い水準だとの認識を示した。
その上で、今回の雇用統計と来週発表される最新のインフレ指標も、政策金利を決定する上での判断材料になると指摘した。
中立金利は上昇
ボウマン氏はまた、高水準の借り入れコストが実際にどの程度景気を抑制しているのかについても疑念を表明した。「われわれは非常に大きく成長しており、現時点で金利水準が抑制的であるとは考えにくい」と語った。
景気を刺激も抑制もしない中立金利については、上昇したとの認識を示した。ボウマン理事は、これも慎重を期す理由の一つと考えている。過度に速いペースで利下げすれば投資の波を呼び起こす可能性があり、インフレを再燃させかねないと指摘した。
原題:Bowman Says Fed Should Proceed ‘Cautiously’ With Rate Cuts(抜粋)
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