米ファストフード大手マクドナルドは、大腸菌集団感染が今秋発生した後に来店しなくなった顧客の呼び戻しを図る。

同社によると、集団感染の発生を公表した10月22日以降、アプリのロイヤルティープログラムを利用する顧客の一部が来店しなくなった。「大多数の顧客」は依然として利用しているものの、「ごく一部」が離れてしまったという。米国部門のジョー・アーリンガー社長が5日、ブルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。

来店しなくなった顧客について「さまざまなメッセージやオファー、割引を現在試みている」と同氏はコメント。「3、4週間来店がなかったので、再び店に呼び戻すためには何か別のことをする必要があると認識した」と語った。

米疾病対策センター(CDC)が大腸菌集団感染の調査を発表したことを受け、マクドナルドは10月、多くの店舗でハンバーガー「クォーターパウンダー」の販売を一時中止とした。集団感染はスライスオニオンが原因とされ、9月12日から10月21日までに1人が死亡し、感染者が100人余りに上った。集団感染について米保健当局は3日、終息を発表している。

マクドナルドは11月、顧客の呼び戻しに向け1億ドル(約150億円)を投じるとし、予算の約3分の1を広告やマーケティングに充てる考えを示した。

同月に「マックバリュー(McValue)」と名付けた新メニューも発表した。5ドルのセットメニューに加え、1品購入するともう1品が追加1ドルで提供されるものだ。アプリユーザー向けに地域限定の割引も提供していく。

新メニューは、インフレで維持が難しくなった最低1ドルのメニューに取って代わるものとなる。

こうしたメニューについて、アーリンガー氏は「導入した価格を維持できないため限界が訪れる」と見ている。

生活必需品の価格高騰を受け消費者の購買力が低下し続けている中、同社は新たな戦略として、特定の価格帯よりも価値のある商品としてブランドをアピールしたい考えだ。「米国人は『インフレの余波』に苦しんでいる」と同氏は語った。

原題:McDonald’s Seeks to Win Back Diners Spooked by E. Coli Outbreak(抜粋)

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