サマーズ元米財務長官はビットコインの国家戦略備蓄を構築する考えを否定したほか、トランプ次期米大統領の盟友で政府効率化省(DOGE)のトップに起用されたイーロン・マスク氏が計画している連邦予算削減には困難が待ち受けていると警告した。

サマーズ氏はブルームバーグテレビジョンの番組「ウォールストリート・ウィーク」でアンカーのデービッド・ウェスティン氏に対し、「一部で言われているビットコイン国家備蓄を構築すべきだという考えは常軌を逸している」とし、「選挙で多額の献金を行う特別利益団体に便宜を図る以外の理由は考えられない」と指摘した。

米国にはビットコイン国家備蓄は不要だと話すサマーズ元米財務長官

選挙戦中にトランプ氏は、資産差し押さえで蓄積したビットコイン約20万BTCを連邦政府が保持することを提案した。トランプ氏の一部の支持者はビットコインの値上がりが予想されることから、保有をさらに拡大して政府債務削減に役立てるべきだと主張する。トランプ氏は米証券取引委員会(SEC)委員長に暗号資産推進派のポール・アトキンス氏を指名した。

ハーバード大学教授でブルームバーグテレビジョンに定期的に出演しているサマーズ氏は、「おそらく仮想通貨は、熱心過ぎる規制当局によって過度に規制されてきた側面がある」とした上で、金融イノベーションを支援することが重要だと発言。しかし「支えるべき価格がたくさんある中で、なぜ政府はビットコインという不毛な備蓄を選ぶのだろうか」と疑問を投げ掛けた。

また、マスク氏は2兆ドル(約300兆円)の予算削減を目指しているが、この額は連邦職員給与総額を上回るとサマーズ氏は指摘。政府支出の大半は国防と高齢者支援関連であり、「それを政治的に変えるのは極めて難しいだろう」と強調した。

原題:Summers Blasts US National Bitcoin Reserve Idea as ‘Crazy’(抜粋)

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