(ブルームバーグ):暗号資産(仮想通貨)ビットコインが5日、初めて10万ドル(約1500万円)を突破した。年初来の値上がり幅は約140%に達した。市場では、トランプ次期米大統領の政権がデジタル資産業界を支援するという期待が広がっている。
トランプ氏は、米証券取引委員会(SEC)委員長にポール・アトキンス氏を指名した。同氏は暗号資産支持派で、規制緩和に重点的に取り組むとみられている。
トランプ氏、SEC委員長にアトキンス氏指名-規制緩和に前向き
ビットコインはアジア時間5日に3%余り上昇し10万1555ドルとなった。仮想通貨市場全体では、業界を支持する姿勢を鮮明にしているトランプ氏が11月5日の大統領選で勝利して以来、約1兆4000億ドル上昇している。
1月20日に退任する予定のゲンスラー現SEC委員長は、2022年の市場暴落時に不正が明るみに出た後、デジタル資産の取り締まりを強化していた。

また、モスクワで開催された経済フォーラムで、ビットコインやその他の仮想通貨の使用を禁止することはできないと発言したロシアのプーチン大統領のコメントも好感された。
ビットコインは11月22日に、初の10万ドルを達成するまであと300ドル未満に迫っていたが、その節目の水準を視野に入れながら下落した。支持者らは10万ドルの節目を、ビットコインが現代の価値の貯蔵手段であり、インフレリスクに対するヘッジ手段だという主張を裏付けるものだとみている。
ブルームバーグがまとめたデータによると、米国のビットコイン上場投資信託(ETF)には今年、約320億ドルの純流入があった。トランプ氏の当選以降には80億ドル以上が流入している。
トランプ氏は、バイデン政権によるデジタル資産への締め付けを解除し、友好的な規制当局者を任命することなどで、米国を世界の暗号資産の中心に変えると公約している。共和党は、ビットコインの戦略備蓄という構想も支持しているが、実現可能かどうかについては疑問の余地がある。
原題:Bitcoin Exceeds $100,000 on Trump’s Pro-Crypto Pick for the SEC(抜粋)
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