(ブルームバーグ):米年末商戦の前哨戦となるブラックフライデー(感謝祭の翌日)で最高のお買い得品を手に入れるには、従来ならベスト・バイやウォルマートの店舗に何時間も並び、夜明けとともに商品棚に殺到する必要があった。それが今や、最も賢いバーゲンハンターたちは対話型人工知能(AI)「ChatGPT(チャットGPT)」などのAIツールを活用し、ショッピングにいそしんでいる。
フィラデルフィア在住のジム・マーレビーさん(46)はクリスマス関連のショッピングに2年連続でチャットGPTなどのAIツールを活用している。昨年はAI搭載アプリのおかげで長女へのプレゼントであるタブレット「iPad」を50ドル(現在のレートで約7600円)安く購入することができた。
今年は次女のために、大ヒット映画「バービー」で主役を務めたマーゴット・ロビー氏のローラースケート姿を再現したバービー人形を手に入れようともくろんでいる。彼は最安値を各サイトから探し出すペイパルのハニーなど、さまざまなアプリを活用する予定。狙うは30%オフだ。
店舗でのストレスから解放され、AIがブラックフライデーでのショッピングからFOMO(乗り遅れ恐怖症)を取り除いてくれるとマーレビーさんは言う。「自分が適正な価格で購入しているか時々、不安になり、確認したくなる」と述べた。

調査グループのアテストが2000人の消費者を対象に実施した調査によると、ブラックフライデーで商品を購入する可能性が高い回答者のうち、AIを活用する予定と答えた割合は44%となった。オープンAIやパープレキシティAIなど、より多くのAI企業が最近、ホリデーシーズン中の自社ツールの利用拡大に向け検索機能やショッピング機能の拡充を図っている。
一方、小売業者は感謝祭の週末に過去最多の買い物客が訪れることを想定して準備を進めている。ブラックフライデーの買い物客が例年、多く訪れるコールズやベスト・バイなどの大手チェーンは26日、さえない売上高見通しを発表し、買い物客が大きなセールイベントを待っていると警告した。
消費者は単にお金の使い方に慎重になっているだけでなく、プレゼントをリーズナブルな価格で購入する過程での負担を軽減する方法も模索しており、一部ではデジタルアシスタントが活用されている。
これに応じて、アマゾン・ドット・コムやウォルマートなどの小売業者もショッピングや商品検索をより簡単にすべくAIに傾倒している。ウォルマートのジョン・デービッド・レイニー最高財務責任者(CFO)はインタビューで「これは未来の片りんをのぞかせるものだ」とし、商品検索の改善に向けAIツール開発に取り組んでいると述べた。
原題:Savvy Black Friday Shoppers Are Using ChatGPT to Score Deals(抜粋)
--取材協力:Jade Khatib、Jaewon Kang、Shirin Ghaffary.
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