米ウーバー・テクノロジーズのプラットフォームを介して仕事を請け負うギグワーカーに、プログラマーが加わった。

同社は配車サービス業というルーツを越えて、注目の新市場に参入しようとしている。企業が人工知能(AI)開発の一部を請負事業者にアウトソースするのを支援する。

ウーバーのAIトレーニングおよびデータラベリングを扱う新部門「スケールド・ソリューションズ」が基盤としているのは、ライドシェアやフードデリバリー、貨物部門の大規模なラベル付け作業に取り組む社内チームだ。

ウェブサイトによると、スケールドは高品質なデータセットを必要とする他企業へのサービス提供を開始。顧客企業には、商用トラックの自動運転ソフトウエアを開発するウーバー出資のオーロラ・イノベーションやゲーム「ポケモンGO」を開発したナイアンティックなどが含まれる。

ウーバーによるデータラベル付けサービスの販売に関する取り組みは、これまで報じられていなかった。世界中の企業がAIモデルをトレーニングするデータの検証を人間に頼る中で、成長が見込まれる市場だ。

同様のサービスを提供するスケールAIの評価額は140億ドル(約2兆1000億円)に達し、同社は最も注目されているAIスタートアップの1社となっている。

ウーバーはドライバーや配達員を長年にわたり確保し、単発で仕事を請け負うギグワーカーの採用に豊富な実績を持つ。

機械学習モデルがパターンを認識し、正確な予測や推奨を行うよう、画像やテキスト、動画にコンテキストを付与するスキルを持つ働き手を十分に呼び込むことで、他社を支援できると同社は考えている。

ウーバーは今月、このサービスをより多くの企業に提供するため、インドと米国、カナダ、ポーランド、ニカラグアで多様なスキルを持つ働き手の登録受け付けを開始した。

ウーバーはインドと米国、カナダ、ポーランド、ニカラグアで多様なスキルを持つ働き手の登録受け付けを開始

ドライバーや配達員を募集するプラットフォームとは別の新規採用ウェブサイトのFAQ(よくある質問)セクションによれば、報酬は完了したタスクに応じて決定され毎月支払われる。

また、サンフランシスコとニューヨーク、シカゴを拠点とするアカウントエグゼクティブの求人も掲載されている。ウーバーおよびスケールドの企業顧客との関係を管理する役職だ。

ウーバーの広報担当者は「過去10年にわたり、われわれ自身の成長の一環として、こうした業務を大規模に実施してきたため、こうしたサービスを必要とする企業のニーズを深く理解している」と電子メールで説明。

インディペンデントコントラクター(IC、独立業務請負人)の雇用は「柔軟な就業機会の提供で世界最大級の企業である当社の専門性と一致する」とコメントしたが、収入や顧客数、プロジェクトごとの料金の詳細については明らかにしなかった。

原題:Uber’s Gig Workers Now Include Coders for Hire on AI Projects(抜粋)

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