(ブルームバーグ):高級車メーカーの英アストンマーティンは26日、2024年通期業績見通しの引き下げと資金調達計画を発表した。通期業績予想の下方修正はここ2カ月で2回目。
映画「007」シリーズの主人公ジェームズ・ボンドが乗った車でも知られる同社は発表資料で、株式と社債の発行を通じて、それぞれ1億1000万ポンド(約212億円)と1億ポンドを調達すると明らかにした。
限定モデル「ヴァリアント」の一部納車が遅れたことを踏まえてアストンマーティンが新たに示した24年通期の調整後EBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)見通しは2億7000万-2億8000万ポンドと、アナリスト予想を下回った。
同社は9月、サプライチェーンの混乱と中国での需要低迷を理由に今年の業績見通しを引き下げていた。
アストンマーティンの米国預託証券(ADR)は26日、5.8%安で取引を終えた。ロンドン上場株は今年、50%超下げている。

アストンマーティンは2020年、カナダの富豪のローレンス・ストロール氏によって救済されたが、同氏の会長就任後も幾度となく増資を余儀なくされ、立て直しに苦戦している。この結果、中国の浙江吉利控股集団とサウジアラビアの政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)が主要株主となっている。
ストロール氏はより多くのモデルをより頻繁にリリースするほか、F1レース人気を利用することでアストンマーティンの復活を目指している。
同社は今回の資金調達により、年末時点の手元流動性は約5億ポンドになるとの見通しを示した。
原題:Aston Martin to Raise More Cash After Another Profit Warning (1)(抜粋)
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