(ブルームバーグ):米コーニングは同社の強化ガラスが欧州でスマートフォン用カバー(画面保護)ガラス市場の競争を阻害しているとの疑いを巡り、問題の決着を図るため、欧州連合(EU)に一連の是正案を提示した。
EUは、コーニングが複数のスマホメーカーとの「ゴリラガラス」と呼ばれる製品の独占契約を通じ競合企業を違法に排除し、顧客の選択肢を狭めていると懸念。価格をつり上げ、イノベーションを妨げている可能性があるとも主張し、同社に対する競争法(独占禁止法)調査を開始していた。
EUの行政執行機関、欧州委員会は25日、こうした懸念に対応するコーニングの提案について意見を求めると明らかにした。
欧州委によると、コーニングが提示した是正措置案にはゴリラガラスの供給に関するOEM(相手先ブランドによる生産)メーカーなどとの現行契約に含まれる独占取引条項の削除や、今後締結する契約に同様の条項を盛り込まないことなどが含まれる。
コーニングの提案に関する業界の意見が肯定的だった場合、欧州委は同社の是正案に法的拘束力を持たせることになる。これにより、最大で年間売上高の10%に相当する制裁金を科される可能性はなくなる。
コーニングは発表資料で、「事業展開している地域で適用されるすべてのルールや規制の順守に引き続き努める」とし、「オープンな議論と協力関係」を持てるよう現地の規制当局と取り組むと表明した。
当局はこの調査に関連する製品名を挙げていないが、コーニングのウェブサイトによると、ゴリラガラスはサムスン電子やグーグル、ソニーグループ、聯想集団(レノボ・グループ)などの最新デバイスに採用されている。またコーニングは、アップルとも長年にわたり提携関係にある。ゴリラガラスにはアルカリ土類アルミノケイ酸塩という素材が使われている。
原題:Corning Bids to Settle EU’s ‘Gorilla Glass’ Antitrust Case (1)(抜粋)
--取材協力:Samuel Stolton.
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