(ブルームバーグ):トランプ次期米大統領が支援する分散型金融(DeFi)プロジェクト「ワールド・リバティー・ファイナンシャル(WFL)」に中国生まれの暗号資産(仮想通貨)起業家、孫宇晨氏は3000万ドル(約46億円)を投じている。かつて物議を醸した孫氏だが、WFL最大の投資家となった。
暗号資産企業トロンの創業者、孫氏は25日、「米国はブロックチェーンの中心地となりつつある」とX(旧ツイッター)に投稿。「トロンは米国を再び偉大にし、イノベーションをリードすることにコミットする」と表明した。
同氏はブルームバーグ・ニュースの取材に対し、この投資は「いかなる政治的目的にも関係していない」とした上で、DeFiとガバナンスのための「革新的なソリューション」を提供できるプロジェクトの可能性に基づくものだと語った。
一方、WFLの広報担当者は「こうしたWFLトークンの大量購入はプロジェクトの初期的成功を裏付けるものだ」と発表文で指摘。
「われわれはより自由で公平な金融を促進するプラットフォームを構築しており、今後の成功を確信している。実際、この数週間に大規模な買いが何度か入った。向こう数週間か数カ月でこうした動きがさらに強まると期待している」とコメントした。

米証券取引委員会(SEC)は2023年3月、孫氏を未登録証券の提供・販売や市場操縦などに関与したとして提訴した。同氏はSECの主張には「根拠がない」とこれまで述べていた。
ステーブルコイン「USDC」を発行するサークルは今年に入り、トロンのブロックチェーン上でのサポート中止を発表。USDC向けの「全てのブロックチェーンの適合性を継続的に評価するリスク管理フレームワーク」に基づく判断だと説明していた。
トランプ氏が始めたソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」を運営するトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)は、デジタル資産取引のプラットフォームを提供するバックト・ホールディングスを買収する方向で協議中だ。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った話として、ブルームバーグ・ニュースが先週報じた。
トランプ氏はTMTGの過半数株を保有。同氏はビットコインなどのデジタル資産への支持を公にしている。トロンの関連トークン「TRX」は25日、約5%下落し、20セント前後となった。年初来では約87%上昇している。
原題:Trump Crypto Project Gets $30 Million Investment From Sun (2)(抜粋)
--取材協力:Suvashree Ghosh.
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