(ブルームバーグ):米ファストフード大手マクドナルドは、節約志向の客層を呼び戻すため、米国で新たなお手頃価格のメニューを導入する。
事情に詳しい関係者によると、新メニュー「マックバリュー(McValue)」には、1品購入するともう1品が追加1ドルで提供されるオファーが含まれる。また、6月に開始した5ドル(約780円)のセットメニューの販売期間を少なくとも2025年半ばまで延長する。
手頃な価格のファストフード店としてのマクドナルドのイメージは数年にわたる値上げで損なわれている。新メニュー導入はイメージ回復を目指す取り組みの要となる。「クォーターパウンダー」に使われたスライスオニオンが原因とされる大腸菌集団感染が発生する前までは、5ドルセットなどにより客足の回復に一定の成果を上げていた。
同社は発表資料で、「価格をできるだけ手頃に保つことに関しては、当社と加盟店は顧客の声をしっかりと聴いている」と述べ、5ドルセットやその他のプロモーションに言及。来年の計画について早く共有したいとした。
マクドナルド株は20日の取引をほぼ横ばいで終えた。今年に入り約2%下落しており、S&P500種株価指数のパフォーマンスを下回っている。
同社はバリュー価格のラインアップ刷新に数カ月前から取り組んでいる。18年に導入した1-3ドルの価格帯のメニューと置き換える。インフレを背景とした値上げにより、現在ではその価格帯前半のメニューはほとんど見られなくなっている。
イアン・ボーデン最高財務責任者(CFO)は10月に決算に関する電話会議で、2025年1-3月(第1四半期)に米国で新しいバリューメニューを導入する計画を明らかにしていた。
同社の既存店売上高は2四半期連続で減少している。中東での戦争をきっかけに米チェーンに対する不買運動が起きたこともあり、米国外で売上高が落ち込んだ。それに対応する措置として米国外でもバリュー商品の提供を拡大している。
原題:McDonald’s Readies New US Value Lineup to Entice Diners Back (2)(抜粋)
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