苦境に立たされている独自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)の労働組合幹部は、同社が検討する工場閉鎖や人員削減の回避を目指し、15億ユーロ(約2450億円)規模のコスト削減案を提示した。

同社労働評議会のダニエラ・カバロ代表は20日の記者会見で、株主配当金の引き下げと、従業員および幹部、取締役会メンバーの賞与の一部支給停止などを掲げた。カバロ氏によれば、経営陣は現在、全体で約170億ユーロのコスト削減を目指している。

労組幹部と経営陣は21日、3回目の交渉に入る。カバロ氏は人員削減の必要性は認めたものの、労組の提案で工場閉鎖は回避できると訴えた。さらに経営陣は雇用保障協定を復活させ、工場を維持する必要があるとも述べた。

電気自動車(EV)の需要低迷やコスト高、中国メーカーとの競争激化への対応が迫られる中、労組と経営陣の隔たりは大きい。VW経営陣は「フォルクスワーゲン」部門で、工場3カ所の閉鎖や数万人のレイオフ、賃金カット、2年間給与凍結など、前例のない規模のリストラを計画している。

カバロ氏が提示したコスト削減案を受け、VWはあらためて工場閉鎖を排除することはできないと繰り返した。労使交渉で合意に達しなければ、労組は12月上旬に「警告」ストに踏み切る見通しだ。

原題:VW Labor Leaders Offer €1.5 Billion in Cuts Ahead of Talks (1)

(抜粋)

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