減少を続ける世帯主の平均普通死亡保険金額
かねてより日本人は保険好きと言われ、生命保険は、家計見直しの対象候補としても上位にあげられる等、オーバーインシュアランス的に捉えられていることが多い印象を受けるが、実際はどうなのだろうか。
生命保険文化センターの調査によれば、世帯主が加入している普通死亡保険金額の平均は、平成9年(1997年)の2732万円から、令和3年(2021年)には、約半分の1386万円に低下している。
夫婦共働きの増加、高齢化の進展等の影響もあると思われるが、それにしても減少幅が大きいと感じる。

では、世帯主に万一があった場合に必要と思われる金額と、実際の世帯主の生命保険の平均加入額を見てみるとどうなのだろうか。
令和3年の生命保険文化センター調査によれば、世帯主に万一のことがあった場合に、残された家族のために必要と考える生活資金(以下、「必要生活資金」)はいくらかを尋ねたところ、平均年間必要額は327万円、平均必要年数は17.1年間で、平均総額は5691万円、世帯年収の9.1年分となっている。

これに対して、「世帯主平均普通死亡保険金額」は、上記のとおり1386万円、「必要生活資金」に対する割合(充足率)は24.4%と、平成9年の38.4%から大幅に低下している。

このように、「必要生活資金」に対する「世帯主の死亡保険金額」の格差は、大幅に拡大してきている。