英国のインフレ率は10月にイングランド銀行(英中央銀行)の目標を再び上回ったとみられ、利下げに慎重を期すべきだという政策当局の主張を裏付けそうだ。

20日に発表される10月の英消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.2%上昇となったもよう。ブルームバーグが市場関係者24人を対象に実施した予想中央値が示した。インフレ率が3年半ぶりに目標の2%を下回った9月は1.7%上昇だった。

 

英中銀は8日、0.25ポイントの追加利下げを発表。ただ、緩和加速が必要となる可能性を示唆することは避けた。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が14日に示した利下げを急ぐ必要はないとの姿勢に近く、欧州中央銀行(ECB)より景気抑制的なスタンスだ。

ブルームバーグ・エコノミクス(BE)は、英中銀が「2025年に四半期ペースで利下げする前に来月は金利を据え置く」と分析している。

 

米国

米政府は10月の住宅着工件数を19日に発表する。住宅建設会社が積極的に在庫削減に取り組んだ結果、4カ月で3回目の減少となったもようだ。

21日に発表される全米不動産業者協会(NAR)のデータでは、10月の中古住宅販売件数が増加したことが示される見込み。前月の住宅ローン金利低下が需要を刺激した。

22日にはミシガン大学が11月の消費者マインド指数(確報値)を発表する。米大統領選後の影響も反映される。

アジア

中国では貸出金利の指標となるローンプライムレート(LPR)が据え置かれる見通し。10月は引き下げられていたが、今月は1年物が3.1%に5年物が3.6%に維持されると予想されている。

BEは年内にあと10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の引き下げがあると見込んでいる。

インドネシア銀行(中銀)は20日、インフレ鈍化を踏まえ政策金利を0.25ポイント引き下げ、5.75%とする可能性がある。

日本銀行の植田和男総裁は18日、名古屋市での金融経済懇談会と記者会見で話す予定。日銀の次回利上げのタイミングに関する手がかりが得られるかどうかに注目が集まることになる。22日には総務省が10月の全国CPIを発表する。

欧州

ECBの動向を追う投資家にとっては慌ただしい週となりそうだ。ラガルド総裁が2回スピーチするほか、多くの政策委員会メンバーが発言する。

ECBが20日に発表する四半期賃金指標は、当局者が物価上昇圧力を予測する上で重視。さらに翌日には、ユーロ圏の金融リスクに関する最新評価が公表される。

ムーディーズ・レーティングスは、イタリアが26年までに財政赤字を欧州連合(EU)が定める上限以下に抑える計画を発表して以来、初めてとなるイタリアに関する最新情報を週末に発表する予定。

 

原題:UK Inflation Hiccup May Buttress Case for BOE Caution: Eco Week(抜粋)

--取材協力:Brian Fowler、Laura Dhillon Kane、Vince Golle、Monique Vanek、Robert Jameson、Piotr Skolimowski、Ragnhildur Sigurdardottir.

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