3メガバンクグループが14日、そろって2025年3月期の連結純利益予想を上方修正した。3社の合計額は前期比19%増の3兆7300億円と、通期ベースの過去最高を更新する見込み。日本銀行による利上げ効果や政策保有株の売却益が寄与する。

3メガはともに5月時点で最高益となる見通しを示していたが、利益が拡大する。個別では三菱UFJフィナンシャル・グループが同17%増の1兆7500億円、三井住友フィナンシャルグループが同21%増の1兆1600億円、みずほフィナンシャルグループが同21%増の8200億円の見込み。

日本銀行は3月にマイナス金利を解除し、7月には政策金利を0.25%に引き上げた。今期は「金利復活」効果が年間を通じて寄与する初の決算となる。資本効率を重視するコーポレートガバナンス(企業統治)改革の一環として、政策保有株の削減が進んでいることも利益を押し上げる。

 

各グループは好業績を背景にそろって自社株買いを発表。MUFGが3000億円、三井住友FGが1500億円、みずほFGは1000億円を上限に実施する。みずほFGが自社株買いに踏み切るのは08年以来16年ぶり。3社は配当金も引き上げる。

4-9月期の純利益は3メガ合計で前年同期比36%増の2兆5495億円。各グループとも顧客・市場の両部門が好調で、中間期ベースの過去最高を更新、MUFGはグループ発足以来初めて1兆円の大台に乗せた。3社合計の業務純益は同21%増の2兆9202億円となった。

 

政策株の削減に伴う株式関係利益はMUFGが3640億円、三井住友FGが2942億円、みずほFGが390億円に上った。MUFGと三井住友FGは政策株の削減目標額を引き上げた。

三井住友FGの中島達社長は、「国内外の預貸金事業、資産運用などすべてのビジネスが好調だった」と上期決算を総括した。MUFGの亀澤宏規社長は政策株について、「売却が進展し、大口の売却益を計上した」と説明。「株売却益の一部を債券ポートフォリオの組み替えに使うことを想定している」と述べた。

三井住友FGの中島社長は、米国のインフレ観測や金利の上昇傾向などから、トランプ前大統領の当選前に比べ「日銀が金利を上げやすい環境になっていると感じる」と分析。みずほFGの木原正裕社長は「いつどういうタイミングで金利が引き上がるか分からない」とし、「日本国債は極めてコンサバティブな対応を引き続き取っていく」と語った。

(決算の詳細や会見のもようを追加して更新します)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2024 Bloomberg L.P.