暗号資産(仮想通貨)投資会社ギャラクシー・デジタルの創業者で富豪のマイケル・ノボグラーツ氏は、トランプ次期米大統領が公約に掲げたビットコイン戦略備蓄を米国が創設する可能性は低いとの見方を示した。

ノボグラーツ氏は13日にブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「可能性は低いと依然思う」と述べ、「共和党が上院を支配しているとはいえ、60議席に近い数ではない」と指摘。その上で「米国が保有するビットコインをすべて引き取り、さらに一部追加して、世界に対しテクノロジー第一の国、暗号化デジタル資産第一の国になることを示すのは非常に賢明なことだと思う」と語った。

ノボグラーツ氏のインタビュー

トランプ氏は7月に開催されたビットコイン会議で、大統領に再び就任すれば、政府が保有するか今後取得するすべてのビットコインを保持し「莫大(ばくだい)な富をすべての米国民に利益をもたらす恒久的な国家資産」に変えると表明していた。他の暗号資産支持者らは、米国による100万ビットコインの購入を提案しており、これはビットコインの現在の価格で900億ドル(約14兆円)余りに相当する。

ノボグラーツ氏は、米国がビットコイン戦略備蓄を創設した場合、価格は50万ドルに高騰すると予測。「他の国々を巻き込むため、異なるパラダイムになる」と述べた。

先週の大統領選でのトランプ氏勝利以降、仮想通貨市場の指標のビットコイン価格は30%強上昇し、デジタル資産市場全体の価値は新型コロナウイルス禍時代のピークを上回る水準に達した。トランプ氏は政権1期目では暗号資産に懐疑的だったが、その後一転して熱心な支持者となり、家族が分散型金融プロジェクトを立ち上げた。

ゴールドマン・サックスとフォートレス・インベストメント・グループの元パートナーでもあるノボグラーツ氏の純資産は2022年末から38億ドル増え今週、約54億ドルに達した。

原題:Novogratz Says Odds Are Low That Trump Sets Up Bitcoin Reserve(抜粋)

--取材協力:Katie Greifeld、Matthew Miller.

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