時価総額で中国一のテンセント・ホールディングス(騰訊)が13日発表した7-9月(第3四半期)決算は、増収増益となった。国内の厳しい経済情勢の中で、5月に配信を開始したゲーム「アラド戦記モバイル」の好調が寄与した。

7-9月の売上高は前年同期比8%増の1672億元(約3兆5900億円)。予想平均とおおむね一致した。純利益は47%増の532億元と、予想の453億元を上回った。

世界最大のゲームパブリッシャーでもあるテンセントは今年、ネクソンが制作したモバイルゲームで成功し、主力部門の業績回復に弾みをつけた。

テンセントはまた、記録破りのヒット作となったパソコンゲーム「黒神話:悟空」の制作も支援。業界内での資金の出し手としての評価を一段と高めた。

中国経済の停滞に強い耐性を持つ企業として、テンセントはライバルのアリババグループやJDドットコムに勝っているとの期待を、こうしたゲームのヒット作が後押ししている。

モーニングスターのアナリスト、イワン・スー氏は10月のリポートで、「テンセントにとってゲームは一見した以上に重要だ」と指摘。

「マーケティング中心のモデルから、自社のゲーム開発へとシフトする継続的な動きは、テンセントのクリエーティブなコントロールを強化するはずだ。こうした戦略がより質の高いゲームの安定した供給を確保する」との見方を示した。

原題:Tencent’s Revenue Climbs 8% After Blockbuster Games Summer、Tencent Profit Beats Estimates After Big Summer for China Games(抜粋)

--取材協力:Claire Che、Vlad Savov.

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