トランプ前米大統領が大統領選で勝利し、輸入品への関税引き上げの可能性が高まったことを受け、靴小売りの米スティーブマデンは、中国国外への生産移管計画を加速させている。

同社は中国で製造する商品を今後1年以内に40%削減することを目指している。従来目標の10%から削減幅を拡大した。

エドワード・ローゼンフェルド最高経営責任者(CEO)は7日の決算発表の電話会議で「昨日朝の時点で、この計画を実行に移している」とアナリストらに語った。

米国の消費財メーカー各社は、関税の可能性に先手を打とうと急いでおり、日用品の価格に及ぼし得る影響について警告を発している。トランプ氏は米国内での製造を奨励するため、中国からの輸入品には60%、その他の国からの輸入品には最大20%の関税を課すと警告している。

ローゼンフェルドCEOはアナリストらに対し「中国製品に大幅な関税を課すという新たな政策が検討されているなら、サプライチェーンだけでなく、経済全体に幅広い影響が及ぶだろう」と述べた。

「メイタグ」や「アマナ」などの家電製品を製造するワールプールは、関税が引き上げられれば、米国人は電子レンジの値上げに見舞われると予想している。

ジム・ピーターズ最高財務責任者(CFO)は大統領選前のインタビューで、「中国から輸入している最大の商品は電子レンジだ」と指摘。ただ、同社は米国で販売する製品の大部分を国内で生産しているため、他のメーカーよりも関税リスクの影響を受けにくいとの見方も示した。

吸着剤メーカー、オイル・ドリのダン・ジャフィー最高経営責任者(CEO)によると、シリカゲルを使用した猫砂も値上げの可能性が高い。同社は「キャッツプライド」や「ジョニーキャット」などの猫砂を製造しているが、この素材の調達先は中国だけだという。

家庭用品メーカーのチャーチ・アンド・ドワイトは、既に一部の生産を中国から移管しており、特に口腔(こうくう)ケア用品「ウォーターピック」事業でそれが顕著となっている。

リック・ダーカーCFOは先週、関税に関する質問に対し「影響を軽減するための計画は整っており、対策は既に実施されている」と答え、「他の全ての企業と同様、われわれもその影響を十分に認識している」と述べた。

原題:Companies Are Already Warning of Price Hikes From Trump Tariffs(抜粋)

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