(ブルームバーグ):ドナルド・トランプ氏の米大統領選勝利を受けた大規模な米国債売りは7日に一服。投資家の関心が米連邦公開市場委員会(FOMC)やイングランド銀行(英中央銀行)の政策決定に移った。
30年物米国債の利回りは6日に17ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、2020年3月以来の高水準の4.61%となったが、7日はほぼ横ばい。英国債は3日続落から反発しているが、欧州債はドイツの選挙を巡る突然のニュースで下落。
トレーダーは中央銀行から、トランプ氏の減税や高関税政策が世界経済の成長やインフレの見通しにどのような影響を与えるかについての手がかりが得られることを期待している。FOMCは0.25ポイントの利下げを実施する見通しで、決定発表後にパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が記者会見する。
「現在の経済環境と、次期米大統領が見通しに与えるとみられる影響についてのパウエル議長のコメントは、非常に大きな意味を持つだろう」と、INGの金利ストラテジスト、マイケル・タッカー氏は述べた。
トランプ氏は選挙戦で、米国の貿易相手国に対して高い関税を課すこと、数百万人の不法移民を国外追放すること、2017年の減税措置を延長することを公約していた。
これらの政策が実施されれば、物価上昇圧力が高まる可能性がある。JPモルガン・チェースなどのエコノミストは、選挙前よりも少ないFRB利下げ回数を予想している。
短期金融市場は今後12カ月で合計106bpの米利下げを織り込んでいる。選挙結果が明らかになる前の5日の115bpより少ない。
原題:Treasury Rout Pauses After Trump Victory as Focus Turns to Fed(抜粋)
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