米アップルは大手テクノロジー企業に対する欧州連合(EU)の新たなデジタル市場法(DMA)に基づき初の制裁金賦課に直面する見通しだ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにしたもので、極めて収益性の高い同社のアプリストア「アップ・ストア」の支配的地位を巡り、規制当局との対立激化を意味する。

関係者が匿名を条件に話したところでは、アップルがアプリ開発業者に対し、アップ・ストア以外の割安な商品やキャンペーンにユーザーを誘導することを認めなかったのを受け、EUの規制当局は制裁金賦課を準備している。

欧州委のベステアー上級副委員長(競争政策担当)

EUの行政執行機関、欧州委員会は3月、アップルが自社のプラットフォームでスポティファイ・テクノロジーなど音楽配信の競合他社を締め出した疑いがあるとして調査した問題で、従来の競争法に基づいて18億ユーロ(現行レートで約2980億円)の制裁金を発表した経緯がある。

欧州委のベステアー上級副委員長(競争政策担当)は今月中に退任の予定だが、その前にアップルへの制裁金賦課を発表する可能性もあると関係者は語った。ただ、発表が年内の遅い時期にずれ込むことも考えられるとしている。

アップルの広報担当者にコメントを要請したが、返答は得られていない。欧州委はコメントを控えた。

原題:Apple to Face First EU Fine Under Bloc’s Digital Markets Act (1)(抜粋)

(情報を追加して更新します)

--取材協力:Jake Rudnitsky、Peter Elstrom.

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2024 Bloomberg L.P.