（ブルームバーグ）：米メディア大手フォックスの７－９月（第１四半期）の利益と売上高は市場予想を上回った。同社は政治広告の記録的な多さが好業績に貢献したとしている。

７－９月期の売上高は35億6000万ドル（約5400億円）、調整後１株利益は1.45ドル。アナリスト予想はそれぞれ33億7000万ドル、1.15ドルだった。

４日の米株式市場で、フォックスの株価は一時9.4％高を付けた。

フォックスはケーブルチャンネル「ＦＯＸニュース」や地方テレビ局、広告型動画配信サービス「Ｔｕｂｉ（トゥービー）」を所有。政治広告に関する具体的な数字は示していない。

ラクラン・マードック最高経営責任者（ＣＥＯ）は４日の発表資料で、「2025年度は当社のポートフォリオ全体で堅調なスタートを切った。ＦＯＸニュースでは視聴者が大幅に増加し、全社で政治広告が過去最高を記録。Ｔｕｂｉの収入の伸びが加速し、秋のスポーツイベントも素晴らしい幕開けとなった」と指摘した。

データ分析会社アドインパクトのデータによると、23－24年の選挙サイクルは過去最高の支出を記録すると予想されており、さまざまなメディアを通じた政治広告は約102億ドルに上る見通しだ。

同社の従来型テレビネットワークよりも若く多様な視聴者を呼び込むＴｕｂｉの収入は７－９月期に19％増加。10－12月（第２四半期）に入りさらに伸びが加速している。

マードック氏は「政治資金の波が押し寄せ、その多くがＴｕｂｉにも流れたのは本当に喜ばしいことだ」と述べた。

10月に放映された米大リーグのワールドシリーズは７－９月期の業績には反映されていない。ロサンゼルス・ドジャースとニューヨーク・ヤンキースが対戦した計５試合の平均視聴者数は1580万人と、17年以降で最多となった。

フォックスは米プロフットボールＮＦＬの王座決定戦スーパーボウルの来年の放送権も獲得。同社によれば、このゲームの広告枠は過去最高額で取引され、既に完売したという。

原題：Fox Sales Beat Estimates on ‘Tidal Wave’ of Political Ads (1)（抜粋）

--取材協力：Curtis Heinzl.

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