(ブルームバーグ):欧州最大の自動車メーカー、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)の労働者は28日、生産を一時停止する。ドイツ国内の工場を初めて閉鎖する計画を巡り集会を開く。
労働組合のリーダーらは国内の11の拠点で労働者に経営側との交渉の最新状況を伝える予定。同社が30日に発表する7-9月(第3四半期)決算は減収・減益が見込まれている。
オリバー・ブルーメ最高経営責任者(CEO)は、欧州での需要減退や中国の比亜迪(BYD)との競争激化に苦しんでいるVWブランドについて、コスト高を指摘している。一方、組合側は電気自動車(EV)シフトの失敗や価格設定の誤りなど、経営陣のミスのつけを労働者が払わされていると主張している。
VWの労働者代表を務めるダニエラ・カバロ氏はブルームバーグが確認した社内ニュースレターで、経営側は「VWを今後どのように導いていきたいのかについて、一貫したコンセプトをまだ提示していない」とし、経営幹部らは工場閉鎖や人員削減を交渉から外すことに消極的だと指摘した。
3カ月間で2度目となる利益見通し引き下げを9月27日に発表して以来、VWは厳しい状況に直面してきた。近年、同社最大の収益源となってきたアウディやポルシェなどの高級ブランドも苦戦を強いられている。ポルシェは25日、中国での需要低迷で利益が圧迫されたとして、コスト削減の検討とモデルラインアップの見直しを行うと発表した。
これまでの労使交渉では成果が見られていない。VWと労組の猶予期間は来月いっぱいで切れ、12月1日からドイツ国内のVW拠点でストライキが始まる可能性がある。
原題:VW Workers Rally at Car Plants as Management Stays Mum on Cuts(抜粋)
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