資産家イーロン・マスク氏の資産が24日、335億ドル(約5兆円)増加し、ブルームバーグ・ビリオネア指数での世界トップの富豪の座と2位との差を広げた。マスク氏率いる米電気自動車(EV)メーカー、テスラの株価が10年超ぶりの大幅上昇を記録したためだ。

テスラが2023年夏以降で最高の四半期利益を報告したことを受け、24日の米国株式市場ではテスラ株価が終値で22%高となり、年初来でプラスに転じた。

マスク氏は決算発表後のウェブキャストで、来年の納車台数を最大30%増やすと表明したほか、電動ピックアップトラック「サイバートラック」が7-9月期(第3四半期)に初めて黒字化したと述べた。

テスラは消費者需要の鈍化を受け、直近まで4四半期連続で期待外れの業績を発表していた。

マスク氏の1日の資産増加額は、同氏として過去3番目の規模で、資産額は2703億ドル(約41兆円)。2位のジェフ・ベゾス氏を約610億ドル上回っている。マスク氏の資産は約4分の3をテスラの株式およびオプションが占めているほか、同氏は米宇宙開発企業スペースX、ソーシャルメディア・プラットフォームX(旧ツイッター)、人工知能(AI)スタートアップxAIなどの株式も大量に保有している。

マスク氏(53)は米大統領選挙の共和党候補、トランプ前大統領への巨額の献金でも注目を集めており、自身が設立したスーパーPAC(政治活動特別委員会)に7500万ドルを投じた。同氏のスーパーPAC「アメリカPAC」は、激戦州でのトランプ陣営の投票呼び掛け活動に資金を提供している。

一方、トランプ氏は自身が米大統領に返り咲いた際には政府の官僚主義的で煩雑な手続きを最小限に抑えることに重点を置く「政府効率化委員会」のトップにマスク氏を起用すると述べている。

マスク氏は決算発表後のウェブキャストで、自身が第2次トランプ政権で何らかの役職に任命された場合、自動運転車の連邦承認プロセスを推進すると表明。ロボタクシー(無人タクシー)「サイバーキャブ」が26年に本格的な量産体制に入り、最終的には年間200万-400万台の生産を計画していると述べた。

原題:Elon Musk’s Wealth Soars $34 Billion as Tesla Comes Roaring Back(抜粋)

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