(ブルームバーグ):米マイクロソフトはより多様な人材の確保を目指しているが、女性や黒人、ラテン系従業員の離職が目立つようになっている。
同社が23日発表したダイバーシティー(多様性)・インクルージョン(包摂)リポートによると、2024年6月期のグローバルベースでの離職者のうち女性は32.7%と、23年6月期の31%から上昇した。
米国での離職者の10%を占めたのが黒人従業員で、前会計年度は8.7%だった。ラテン系の割合も8%から9.8%に上昇した。一方、男性とアジア系の離職は減少。このリポートは自主退職と非自主退職を対象としている。
マイクロソフトはこうした傾向について、ライバル企業による引き抜きや、人材がより多様化する傾向にある実店舗・オンライン小売りから業態が変化しつつあることが理由だと説明。
マイクロソフトの最高ダイバーシティー責任者リンジーレイ・マッキンタイア氏はインタビューで、「有能な人材が入社した時点で、より多くのことをしなければならないと認識している」と述べ、これには相談相手の確保や「マイクロソフトに投資し、在籍し続ける理由を継続的に与える」キャリアオプションの提供などが含まれると指摘した。
同氏によれば、地理的に広く分散しているクラウドコンピューティングのデータセンターで仕事が増え続けていることは、マイクロソフトが採用で多様性を高める機会につながっている。
多様性はますます重要になっており、同社は新しい人工知能(AI)製品が人種や性別、その他の偏見から自由であることを確実にすることを強く望んでいる。
マッキンタイア氏は「誰もが関わりたいと思う信頼性の高いAIを生み出すには、多くの視点が必要だ」との考えを示した。人種や性別ごとの離職統計を公表している企業はほとんどない。
原題:Microsoft Is Struggling to Retain Women, Minority Employees(抜粋)
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