(ブルームバーグ):人工知能(AI)スタートアップ、アンソロピックはユーザーのコンピューター画面上で何が起こっているかを理解し、オンライン上でユーザーに代わってさまざまな作業ができる新しいツールを公開した。これは、簡潔な応答を提供するチャットボットから、人に代わってタスクを実行することができるいわゆる「AIエージェント」へと、テクノロジー企業が展開する最新事例と言える。
アンソロピックの22日の発表によると、「computer use」と呼ばれるこの新機能は、ユーザーがコンピューター上で見ているものを解釈し、許可を得た上で、ウェブの閲覧、ボタンのクリック、文字入力など、ユーザーに代わって実行が可能。同社は過去数週間、限られた数の企業顧客を対象にサービスを試験的に実施した後、対話型AI「Claude(クロード)」を使用する開発者向けにベータ版をリリースする。
ユーザーの作業を最小限の人的介入で処理するAIエージェントの開発を進めるAI企業が増加している。これは日常生活や仕事における生産性を飛躍的に向上させるというAIへの期待を実現するものだ。
米マイクロソフトは21日、ユーザーに代わって電子メール送信や記録管理のタスクを自律的に実行するエージェントツール一式をリリースした。さらに、CRM(顧客管理)ソフトウエア最大手の米セールスフォースは、先月開催の年次イベント「ドリームフォース」で、カスタマーサービス用のエンタープライズエージェントアプリを発表した。
アンソロピックは、他の多くの企業がエージェントツールで採用しているアプローチとは異なる方法を採っている。バックエンドのさまざまなアプリケーションと統合するのではなく、同社の技術はユーザーのコンピューター画面上で起こっていることをリアルタイムで処理することができる。同社はこの方法により、一段と直感的な体験が実現できると説明した。
「これは、人々がするのと同じようにコンピューターの操作ができる最初のモデルとなるだろう」と、アンソロピックの共同創設者で最高科学責任者のジャレッド・カプラン氏はブルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。
原題:Anthropic’s New AI Tool Can Browse, Click, Type on User’s Behalf(抜粋)
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