米連邦準備制度理事会(FRB)の現在の政策見通しを踏まえれば、ドナルド・トランプ氏の共和党が米選挙で圧勝しても、それをきっかけに米国債が急落する可能性は低い。モルガン・スタンレーが予想した。

モルガン・スタンレーは11月5日の投票に向けて投資家が米国債に対して中立的なスタンスを維持することを推奨。2016年に共和党が上下両院で勝利した後に見られたような激しい反応を市場が示す可能性は低いとの見方を示した。当時は金融政策が大幅に引き締められるとの観測が強まったが、今回は状況が異なると同社は論じた。

マシュー・ホーンバック氏らストラテジストはリポートで「多くの投資家は、共和党が上下両院を制するという選挙結果が米国債にとって最も弱気な材料になるとみている」が、「現在のFRBの政策に対する期待と2016年当時の期待を比較すると、米国債利回りの上昇は当時よりも抑制されると当社は考えている」と説明した。

米国債2年物と10年物の利回りは、16年の投票の翌月に50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)以上上昇した。共和党の圧勝でトランプ氏は減税や関税賦課などでより強力な権限を手にした。これを受けてFRB当局者と市場の両方が、2年間でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が125bp引き上げられるという見通しを立てた。

今回もトランプ氏は同様の政策を掲げて選挙戦を戦っており、一部の投資家はこれがインフレを招き、米国の財政を悪化させるという懸念を強めている。

しかしモルガン・スタンレーは、16年と同様の金利見通しの上方修正は起こりそうにないとみている。市場は現在、来年末までに約140bpの利下げを織り込んでいる。

 

「市場参加者は、FRBが直ちに利下げを停止し、25年まで利下げをしないことを想定しなければならないことになる」が、それは「非常にありそうもない」とストラテジストは指摘。

トランプ氏が全勝した場合、投資家はFF金利目標の予想を引き上げる可能性が高いが、それは「その方向への投資を正当化する」のに十分ではないと論じている。

原題:Morgan Stanley Sees US Bonds Less Exposed to Any Big Trump Win(抜粋)

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