(ブルームバーグ):多くの投資家はプライベートクレジットへの現在の投資配分が不十分だと感じており、1兆7000億ドル(約225兆円)規模の市場からより多くの利益を得る方法を模索している。ゴールドマン・サックス・グループのプライベートマーケット調査から分かった。
調査は資産運用会社、民間の年金運用会社、保険会社、寄付基金、公的年金基金など、プライベートクレジット業界でリミテッドパートナー(LP)と呼ばれる投資家と、ゼネラルパートナー(GP)と呼ばれるプライベートクレジットファンド運用会社を対象に実施。190社のLPと45社のGPから回答を得た。
21日に公表されたリポートによると、プライベートクレジットが記録的な資金を集める中で、多くのLPはこの資産クラスへの投資を拡大したいと考えている。
プライベートクレジットの世界が拡大し、他の形態の融資も含まれるようになるにつれ、差別化されたエクスポージャーをLPに提供するためGPはセカンダリーや共同投資などの戦略に頼りつつある。
セカンダリー投資では、プライベートクレジットファンドの持ち分をより容易に買い増したり売却したりでき、流動性が高くなる。共同投資では、LPはファンドを通じてではなく、直接案件に参加することができる。
ゴールドマンのオルタナティブキャピタルフォーメーション部門のグローバル共同責任者、ステファニー・レイダー氏によれば、調査対象となったLPのほぼ半数が現在、セカンダリーおよび共同投資戦略に資金を振り向けており、これは昨年と比較して「かなり大幅な増加」だという。「オルタナティブポートフォリオ内の資産クラスとしてプライベートクレジットが確立されつつある」と同氏はインタビューで語った。
銀行がレバレッジドローンに回帰し競争が激化する中、シンジケートローンに対するダイレクトレンディング(直接融資)のプレミアムは縮小している。
通常プライベートローンより低金利の融資を提供できる銀行から顧客を奪い返すために、ダイレクトレンダーはより魅力的な条件を提示しようとしている。
調査では、回答したLPのほぼ40%がプライベートクレジットへの投資配分を増やしている一方で、21%は減らしたり保留にしたりしていた。また、4分の1はクレジットに対してそれほど強気ではなくなっていると回答した。
LPがより少なく、より大きなコミットメントを行い、既存の関係に基づく投資に重点を置くにつれ、市場ではより多くの統合が見られるようになっているとリポートは指摘している。
原題:Investors Want More Exposure to Private Credit, Goldman Says(抜粋)
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