(ブルームバーグ):10月第4週(21-25日)の債券市場では、長期金利の上昇(債券価格下落)が予想されている。米国経済の堅調さを示す経済統計が相次いで米金利が上昇傾向にあることや、外国為替市場で一時1ドル=150円台へと円安が進み日本銀行による早期利上げ観測が高まったことが重しになりそうだ。
市場参加者の見方
◎三菱UFJアセットマネジメント債券運用第二部の小口正之エグゼクティブ・ファンドマネジャー
- 衆院選挙の投開票を27日に控える中、債券相場は上値が重い展開が続いて、弱含みもみ合いが予想される
- 海外金利の上昇傾向や外国為替市場での一時1ドル=150円台回復のほか、9月の全国消費者物価指数(CPI)はコアやコアコアが市場予想を上回っており、環境や材料面でも金利の押し上げ要因が多い
- 20年国債入札が注目される。超長期ゾーンは足元の需給が良好で、今月に入り30年債入札、超長期債対象の流動性供給入札はいずれも順調な結果となっており、20年入札も無事に終えるのではないか。ただ、警戒感はあまり出ていないので相場への影響は限定的だろう
- 新発10年国債利回りの予想レンジは0.96-1.00%
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
- 日銀の追加利上げが意識され、米連邦準備制度理事会(FRB)が11月、12月のいずれかの利下げを見送るとの見方が広がっており、足元では国債利回りに上昇圧力がかかりやすい
- 中東情勢の悪化懸念など世界経済の先行きには不透明要因が多く残っている。日本では本格的な金融引き締めは予想されておらず、利回り上昇は緩やかにとどまろう
- 総選挙の結果待ちとなるが、30、31日には日銀の金融政策決定会合が予定されている。今月の会合では政策変更は予想されていないが、日銀が公表する展望リポートが注目されている。11月5日には米大統領選挙とイベントが続くことから、投資家は動きづらい
- 新発10年国債利回りの予想レンジは0.95-1.00%
国債入札
主な材料
- 22日:日銀、基調的なインフレ率を捕捉するための指標
- 22日:IMFが世界経済見通し(WEO)を発表
- 24日:日銀、金融システムリポート(10月号)
- 25日:10月の東京都区部CPI
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2024 Bloomberg L.P.