(ブルームバーグ):15日の日本市場では株価が上昇して日経平均が約3カ月ぶりに一時4万円の大台を回復した。米国経済の軟着陸期待を受けたリスク志向で半導体や輸出関連を中心に幅広く買われた。円はけん制警戒感から対ドルでやや買い戻されている。

日経平均は一時650円超高と4日連続の値上がりで、7月19日以来の大台に一時乗せた。景気刺激策観測から中国経済への期待も膨らみ、米中景気期待から日本株に買い注文が先行した。円はいったん売られたが、日本の通貨当局による円安けん制への警戒感から買い戻された。長期金利は上昇(債券相場は下落)。
米半導体大手エヌビディア株が米国市場で終値として史上最高値を更新、日本でもアドバンテストが連日で上場来高値を更新するなど半導体関連が高い。衆院選がこの日公示されて27日の投開票に向けた選挙戦が始まった。米中経済の先行き懸念がいったん後退、中東情勢も悪化一辺倒は避けられており、国内外ともにリスク資産を志向しやすい環境になっている。
大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリスト兼テーマリサーチ担当は日本株について、石破茂首相の経済優先発言で選挙までは株高との経験則を確認する展開だと15日付リポートで指摘した。半導体関連株は2-4月にいったん高値を付けて信用取引の期日売りが終わりつつあるとして、人工知能(AI)や半導体相場が期待できると予想した。
株式
東京株式相場は上昇し、日経平均株価は約3カ月ぶりに節目の4万円台を一時回復した。為替相場が前週末の日本株終値時点と比べて円安で推移し、電機や機械といった銘柄に買いが入った。金利上昇を受けて銀行や保険など金融株も高かった。
野村アセットマネジメントの石黒英之チーフ・ストラテジストは日経平均の4万円台について、7月後半に割り込んだ際は抵抗感が乏しくあっさりと割り込んだ経緯があると指摘。「滞留時間が短かったため需給面でのしこりも乏しく、戻り売り圧力は和らぎそう」と述べていた。
サービスや小売りといった業種に加え、化学などの景気敏感銘柄が上げた。中国は超長期特別国債の発行をする可能性があると報じられており、景気刺激策を巡る期待が関連銘柄を押し上げた。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは、堅調な米国経済に加えて景気刺激策が打たれる中国景気も失速する状況ではないとして「米中の状況を考えると、マクロ環境的には売り材料がない上、日本株は割安なので買いが入っているのだろう」と語った。

為替
東京外国為替市場の円相場は1ドル=149円台半ばに上昇。株高によるリスク選好の流れから2カ月半ぶりの安値となる心理的節目の150円に接近したことで、日本の通貨当局による円安けん制への警戒感が高まった。米国の緩やかな利下げ期待もドルの重しになっている。
外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は「150円を超えて円安が進むと日本政府のけん制も警戒され、ここから円を売るには東京市場だけでは材料不足だ」と指摘した。
その上で米金融当局と市場が緩やかな利下げ継続で見方が一致する中、ドルを買い上がる理由も薄れているとして「東京勢にとっては利益確定も含め、ドルを売っておきたい水準なのかもしれない」と述べた。

債券
債券相場は中長期債が下落。前週末の米長期金利上昇に加え、ウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事が慎重なペースで利下げすべきだとの見解を示したことが売り材料視された。
SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストは、ウォラー理事の発言もあり、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが見送られることへの警戒感が金利上昇要因だと述べた。日本の連休中に為替市場で円安が進んだことも「日銀が利上げしやすくなるとの連想が働き、どちらかというと弱い材料だ」と述べた。
一方、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大塚崇広シニア債券ストラテジストは、米長期金利上昇の流れで売られたが、下げた局面では値ごろ感から買いも入ったと話した。
新発国債利回り(午後3時時点)

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