(ブルームバーグ):10月第3週(15-18日)の債券市場では、長期金利の低下(債券価格は上昇)が予想されている。利回り水準の上昇を受け、投資家の押し目買いが入りやすい状況だ。2回の流動性供給入札の合計額を上回る日本銀行の国債買い入れオペが幅広い年限で実施されるため、週内の需給環境は良好との見方が市場関係者の間では多い。
国内の注目材料は日銀の安達誠司審議委員の講演や9月の全国消費者物価指数(CPI)の発表など。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想では、生鮮食品を除くコアCPIは前年同月比2.3%上昇と、前の月の2.8%上昇から伸びが鈍化する見込みとなっている。
市場参加者の見方
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジスト
- 利回りは低下しやすい。金利水準が高くなってきたことから、値頃感を捉えた買いが入ってもおかしくない
- 入札は流動性供給入札のみで、身構えて買いを抑えることも相対的になさそう。日銀オペが幅広く入ることも一定の心理的なサポート要因
- 安達審議委員の発言は総選挙を控え具体的な政策の示唆も想定しづらい。全国CPIも政策決定がライブになるのは12月からで、無難に消化しそうだ
- 中国関連の材料はリスク。来週の国内総生産(GDP)を受けてリスクオンで円相場が対ドルで150円台になり、利上げ観測が高まるリスクには注意が必要
- 新発10年国債利回りの予想レンジは0.89-0.96%
岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
- 米景気の減速懸念が後退し、米国債利回りには上昇圧力がかかっている。国内では日銀の将来的な追加利上げが再び意識されており、国債利回りの大幅な低下は見込みづらい
- 流動性入札が2回予定されているが、新発国債の入札は予定されておらず、債券市場の需給環境が大きく悪化することはないだろう
- 日銀が追加利上げを急ぐ状況にはない、利回りが上昇したことから長期、超長期国債にも投資家の押し目買いが予想され下値不安は小さい
- 新発10年国債利回りの予想レンジは0.90-0.97%
国債入札
日銀買い入れ
主な材料
- 14日:休場(スポーツの日)
- 15日:衆議院選挙公示
- 16日:日銀の安達審議委員が香川県金融経済懇談会に出席
- 17日:欧州中央銀行(ECB)が金融政策発表
- 18日:9月の全国CPI、中国7-9月期GDP
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