来週の円相場は約2カ月ぶり安値圏でのもみ合いが予想される。米国で消費者物価指数(CPI)など重要指標の発表がほぼ一巡し、利下げの行方を見極める展開が続く。27日の衆院選を控えて日本株が上昇する場合には、投資家心理が改善して円安・ドル高が進む可能性もある。

市場関係者の見方

◎関西みらい銀行の石田武ストラテジスト

  • ドル・円は10日に付けた高値の149円台半ばを上限とし、147円付近を下限とするレンジでのもみ合いが予想される
  • 日本の衆院選や米国の大統領選挙を控える中、米雇用統計やCPIを超える大きな材料が見当たらない。150円の節目突破は遠くなっている印象だ
  • 一方、日本では選挙に向けて株価が上がるというアノマリーがあり、日経平均株価が4万円を超えるとリスクオンの円安が進むこともあり得る
  • 日銀の安達誠司審議委員の講演はハト派的になるとみられるが、新しい話は出ず材料視されない可能性が高そうだ

◎あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト

  • ドル・円は146-151円程度のレンジで方向感が出にくい展開を予想。米小売売上高など経済指標を確認しながら米金融政策の見極めが続く
  • 200日移動平均線が位置する151円20銭付近が重いレジスタンスになりそう。米金利が大きく下がる材料はなく、下値も堅いだろう
  • 欧州中央銀行(ECB)は25bpの利下げを決め、次回も25bp利下げすることを市場は織り込んでいる
    • 次回の利下げが50bpになることはないとみられるが、ラガルド総裁の会見を含めて注目される

来週の注目材料

  • 17日:ECBが政策金利を発表し、ラガルド総裁が記者会見する

来週の主な予定

  • 14日:9月の中国貿易統計
  • 15日:衆院選公示
  • 16日:日銀の安達審議委員が香川県金融経済懇談会に出席、記者会見
  • 17日:9月の米小売売上高
  • 18日:9月の全国CPI
  • 18日:7-9月の中国国内総生産(GDP)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2024 Bloomberg L.P.