11日の債券相場は上昇。米国で経済指標が強弱入り交じる中、長期金利が小幅低下した流れを引き継いだ。前日までの大幅安の反動や、利回り水準が上がっている超長期債への買いも期待されている。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは、相場が大きく下げた後の買い戻しが入っていると指摘。「2カ月ぶりの高利回りを更新していたので、いったん値ごろ感が出ているのではないか」と述べた。

日銀は午前の金融調節で定例の国債買い入れオペを通知した。対象は残存期間1年超3年以下、5年超10年以下、10年超25年以下。買い入れ額はそれぞれ3250億円、3750億円、1500億円。

東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、「米経済は軟着陸が大方のメインシナリオで、米利下げパスの見通しは変わらないだろう」と指摘。9月の米消費者物価指数(CPI)を通過したことで超長期債には押し目買いが期待できるとの見方を示した。

10日の米10年国債利回りは4.06%程度と1bp低下。CPIの上振れとアトランタ連銀総裁の発言を受けて一時4.12%程度と7月31日以来の高水準を付けた後、新規失業保険申請件数が高水準となる中で低下した。金利スワップ市場では11月の25bpの利下げ織り込みが8割程度となっている。

 

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