(ブルームバーグ):ソニーグループは11日、家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)5」の上位機種「Pro」を11月に発売すると発表した。価格は米国向けが700ドル(日本向けは11万9980円)と現行機から200ドル引き上げられ、ライバルの米マイクロソフトが10月に発売する新しい「Xbox」の600ドルに対して挑戦的だ。
同ゲーム機のリードアーキテクトであるマーク・サーニー氏はビデオプレゼンテーションで、上位機種は「PS5」よりも解像度を上げ、よりスムーズにプレイでき、さまざまなモードを切り替える必要もなくなると述べた。
価格設定が販売にどう影響するかについては識者の間でも意見が分かれる。ゲームコンサルタント会社カンタンゲームスのセルカン・トト代表は、「これは筋金入りのPSユーザーだけをターゲットに市場からかすめ取るような戦略だ」と指摘する。
シティグループ証券の江沢厚太アナリストは、現行機からこれほど大幅に引き上げられた上位機種はなく、「価格設定は非常に挑戦的と思われる」と指摘。性能向上を担う部品が現行機と比べてそれほど高額でないと推測され、高い価格設定は粗利益率を押し上げるとの見方を示す。
PS5は2020年の発売以来、5900万台以上を販売しているが、PS4にはやや遅れをとる。その理由の一つは、ゲーム機の価格が最大のライバルであるゲーミングPCの価格に近づいてきたことだ。
ソニーGは、「ホグワーツ・レガシー」、「ファイナルファンタジーVII リバース」、「スパイダーマン2」などいくつかの旧作タイトルが、上位機種でも使えるようソフトウエアの無料アップデートがされると説明している。
原題:Sony Sparks Debate by Pricing New PlayStation Well Above Xbox(抜粋)
--取材協力:Vlad Savov.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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