(ブルームバーグ):記録的な中国国債値上がりに歯止めをかけようとする当局の試みは利回り低下を食い止めたが、その代償として、さらなる頭痛の種となりかねないほどの取引激減をもたらしている。
中国外国為替取引システム(CFETS)のデータによると、最も活発に売買されている10年国債の取引量はここ2週間、着実に減少し、21日と22日の1日平均取引量は7日と8日の平均を約90%下回っている。
当局は「違法」取引に対する警告を今週発するなど、長期国債の投機を取り締まる対策を強化。そうした中で、売買高が急減した。

華西証券はアナリストリポートで、「売買高が急落し続ければ、債券市場は不健全な負のフィードバックループに陥り、価格形成機能をさらに悪化させるリスクがある」と指摘した。
中国人民銀行(中央銀行)は以前は口頭で警告を発しただけだったが、今月に入り、国債価格上昇への対応を強めた。複数の国有銀行による利回り押上げを狙った売りや、一部の投資家に対する度重なる当局からの照会などといった措置により、トレーダーは神経をとがらせ、取引活動を抑制している。
指標の10年債利回りは23日の取引で2.15%と、月初に記録した過去最低の2.12%前後から上昇。中国財政省が23日実施した10年債入札は、過去最低の利回りだった。
中国銀行間市場交易商協会(NAFMII)の幹部は今週、市場の反応に不快感を示した。投機的な債券取引は継続的な押し戻しに直面するだろうが、金融機関は取引を完全に停止するような極端なことはすべきではないと一部新聞とのインタビューで語った。
原題:China Bond Trading Collapses Amid PBOC Crackdown on Record Rally(抜粋)
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