23日の東京株式相場は、続伸して始まった日経平均株価が一時マイナス圏に転じるなどもみ合い。日本銀行の植田和男総裁が国会の閉会中審査で答弁しており、市場参加者の間では発言内容を見極めようとの姿勢が強く、明確な方向感が出にくい状況だ。

植田総裁は衆院財務金融委員会の閉会中審査で、今後の金融政策の運営方針について問われ、日銀の経済・物価見通しが実現する確度が高まれば、金融緩和の調整を行う姿勢は変わらないとの見解を示した。

経済・物価見通し実現なら緩和調整する基本姿勢変わらず-植田日銀総裁

業種別ではアナリストの目標株価引き上げを受けた大成建設など建設株のほか、ニューヨーク原油先物の上昇を材料に石油株が高い。医薬品などのディフェンシブセクターも堅調。半面、米国のテクノロジー株や半導体株が下げた影響を受けている電機株のほか、情報・通信や卸売りが軟調。

23日は米国でもパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を控えており、投資家は積極的な買いを入れにくい。また、取引開始前に発表された7月の全国消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除くコアが前年同月比2.7%上昇と、前月の2.6%上昇からやや伸びが拡大したが、市場予想と一致しており、相場への目立った影響は見られなかった。

みずほ証券の倉持靖彦マーケットストラテジスト

  • 植田総裁はマーケットとのバランスを取った発言をすると想定している。予想外な発言があれば、株式市場は為替の動きに沿って反応するだろう
  • 米国の流れを引き継ぎ半導体などグロース銘柄が弱く、ディフェンシブがしっかりするイメージ

インサイト

  • 東証33業種中26種が上昇、上昇率トップはその他金融、下落率トップは電機
  • MSCIアジア太平洋指数は0.1%安

背景

  • 消費者物価は3カ月連続拡大、エネルギーが押し上げ-市場予想と一致
  • 近く米利下げ開始を、「漸進的で整然としたペース」で-2連銀総裁
  • 中国、半導体製造装置の輸入が過去最高-対中規制強化に備え購入活発
  • ドル・円相場は1ドル=146円ちょうど付近で推移、前日の日本株終値時点は145円27銭
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