欧州最大の資産運用会社アムンディは、外国為替市場での歴史的な円安進行が終わり、今後1年間で円相場は上昇するとみている。

アムンディ・ジャパンの有江慎一郎チーフ・インベストメント・オフィサー(CIO)はインタビューで、「日米の金利差は基本的には縮小していく方向であることは間違いなく、そのシナリオに基づけば、もう少し円高は進むだろう」と予測。歴史的な円安はいったん終わりを迎え、「ドル・円は1ドル=140円を目指す方向であることに変わりはないだろう」と述べた。

日本銀行の追加利上げの可能性を巡っては、有江CIOは多くても年内1回で、利上げ幅も大きくないと予想する。早ければ9月にも見込まれる米国の利下げ開始は、円の買い持ちを増やす好機になると分析。ただ、円相場の不安定な状況は続いており、現時点で円は買い増すことはないと言う。

 

20日の東京外国為替市場の円相場は対ドルで買われ、一時0.5%高の145円85銭を付けた。19日は一時145円19銭と7日以来の円高水準を付けていた。日米の10年債利回り差は6日以来の水準まで縮小している。

低金利の円を売って高金利のドルを買うキャリー取引の巻き戻しが8月前半にかけて起こった後、ヘッジファンドは2021年以降で初めて円相場に対し強気に転じている。ファースト・イーグル・インベストメンツは、日銀が12月か来年初めに利上げする可能性があり、円高が進むとの予想から円ヘッジを外した。M&Gインベストメント・マネジメントは、円のオーバーウエートを維持している。

(チャートを更新し、4段落に20日の円相場の動きを追記します)

--取材協力:グラス美亜.

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